保存食
切り干し大根
いつから食べられるようになったか詳細は不明だが、大根が日本に伝わってきたのは稲作文化と同じ頃なので、切り干し大根もそれとほぼ同時期に始まったのではないかと考えられている。長い間日本人に親しまれてきた貴重な保存食です。
大根の栽培は江戸時代になると飢餓対策として奨励された。
「切り干し大根」は主に関東地方での呼びばれている。関西より西では「千切大根」、それ以外にも「干し大根」と呼ばれることもある。
生の大根は水分94%、糖質3%前後で、繊維と消化をよくする酵素がある以外はあまり栄養がない。しかし切って干しただけで豊富な栄養成分を含むようになる。切り干し大根は水分が15~16%に減る一方で糖質が60~70%に増え、カルシウムやカリウムなどのミネラルがぐんと増える。また、ビタミン類も豊富になる。
切り干し大根は保存がきいて携帯に便利なのでとても非常食向き。乾燥させることによって微生物の増殖が抑えられるので保存性が高まり、非常時に不足しがちな繊維野菜として貴重な役割を果たす。
切り干し大根のメリットはあり合わせの具材と煮込むだけでさまざまな料理ができること。